1980年、米国西海岸に住む若いヒッピーは、全米各地、特にカリフォルニア州マリンカウンティとコロラド州クレステッドビュートで起きていた新しい「ポンコツバイク」運動についての記事を読みました。 

当時カリフォルニアでヒッピーがしていたことと同じようなことをしていたスコット・ニコルは、60年代半ばからこの「ペーパーボーイ」バイクに乗っていたという記事に興味をそそられました。実際、1976 年まで彼はすでに 1947 年製エクセルシオールをカンチレバーブレーキ付きのギア付きバイクに改造しており、他の若いライダーと同じように、可能な限りダートで乗り、コーナーをドリフトさせていました。 

計画もお金もありませんでしたが、ヒッピーのエネルギーと自転車のインスピレーションをバケツに大量に詰め込んだような状態で、1981 年の春に続いてフレームビルディングの講習が行われ、今日私たちが知っているIbis Bike会社が形成されました。ユニークで革新的、そしてたくさんの魂が込められています。 

スコットは言います「自転車は、初めて味わう自由の象徴です。自転車に乗った瞬間、どんな問題や課題も背景に消えていきます。もっと多くの人がもっと頻繁に自転車に乗れば、私たちの世界はもっと良くなるだろうとよく思います。」 

Ibisは現在でも有名で高く評価されている自転車メーカーであり、依然として自転車の製造と革新に注力しています。自転車がもたらすチャンスへの信念と西海岸の姿勢が相まって、彼らは自分たちのやり方で物事を進め続け、世界市場の障害を巧みに乗り越えながら、自転車に乗ることの利点すべてを先導しています。 

彼らの哲学は、「Ibis Cycles Enduro Race Team」に完全に凝縮されています。先駆者ライダーのロビン・ウォールナーが現在プログラムを管理しておりZakarias Johansen、Raphaela Richter、Cole Lucasから構成された並外れたチームを率いています。この 3 人のライダーは、どんな競技でもトップを走る才能を持っていますが、チームと一緒に座ってみると、別のことに気づくでしょう。 

一年の大部分を旅に出て、快適な生活を満喫しているとき、好むと好まざるにかかわらず、チームメイトは新しい家族になります。ここにIbis Cycles Enduro Teamの成功があります。友達と旅行したり、話し合ったり、一緒に住んだり、新しい文化を体験したり、たくさんの良いこと、悪いことも共有したり、散歩で冗談を言ったりなど、リストは数え切れないほどありますが、核となるもの、そしてスコット・ニコルにインスピレーションを与えたものは変わりません。友人たちが自転車に乗り、楽しんで何かを共有したいと考えていたので、自転車運動は何年も前に始まっているのです。 

今シーズン、Enduro World Seriesは 30 年以上の独立を経て、UCI Mountain Bike World Seriesの公式カテゴリーとして国際自転車競技連合に加わりました。エンデューロレースは主流になったかもしれませんが、Ibis Cycles Enduro Teamは、異なったやり方で物事をみる個人個人のグループであり続けています。なぜなら、Ibisにとって、1970 年代のマリンカウンティにまで遡る、変わらぬものがあるからです。バイクやトレーニングに関係なく、それがhero dirtsやrootsやrock slabsであっても、最も楽しいライドは常にあなたと共有するものです。 

Ibisのやり方は、より広い視点からレースにアプローチすることです。すべてを正しく理解できれば、タイムは縮まります。競争のプレッシャーにどう対処するか、コース上で最高のスピードを出す方法についてチームライダーに尋ねると、答えはほぼ常に同じです。リラックスして笑顔で乗れば、残りは後から続きます。 

Ibis Cycles Enduro Race Teamは小規模かもしれませんが、完璧に組織されています。 

Photos by: Niklas Wallner